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細々と二次創作らくがきを載せているブログです。初めてお越しになった方は、「はじめに」をご一読下さい。

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|| 2014.09.05

ひこうき曇
珍しく映画感想です。
「風立ちぬ」、創作原稿中に見てドひきずりしてしまいました。
劇場は見送ってしまったのですが、クリエイター界隈で評判だったのでレンタル開始後即借りに行きました。
すごかった…。想像以上に衝撃を受けました。
とうとう初めてジブリ円盤ポチりましたよ。
(ON YOUR MARKも出てたら絶対買ったんですが、某問題でお蔵入りなのが残念すぎる;;)

以下キモチワルイ語り、長い&最後ネタバレなので追記にて。

映画を見てみてもよくわからなかった、という方には、岡田斗司夫さんの批評をオススメしておきます。
とてもわかりやすく解説されていますので是非。
私も一週目は「言葉ではなく心で理解できた!」状態。批評を聞いてようやく言葉で理解できた感じです。
(その割に語りが日本語でおkなのはご愛嬌ということで…) この映画を見て、最近のジブリ映画で感じていた違和感の正体がわかったような気持ちになりました。

私は、映画というものはエンターテイメントであってしかるべきだと思っていました。
むしろ今でもそうです。もちろんそういう映画ばかりでないのは知っていますが、自分の中では「エンターテイメントとして成立し、かつ、作者の描きたいテーマが説教くさくないレベルで自然と表現できている」のが理想の作品です。
ラピュタなんかはそのタイプの最高傑作かと。
近年の宮崎作品はそれがどうもおかしくなってきている気がして。矛盾を繕いきれていない、ちぐはぐな印象を受けていました。
宮崎さんが「ハッピーエンドの物語しか描けない」と言っていましたが、それが足かせになってしまっているような。

でもこの映画を見たら、どうして宮崎さんがこういう作品を描きたくて描けるはずなのに描けなかったのか、わかったような気がしました。
多くの人(特に子供)に向けるには残酷すぎる。
残酷な物語を美しく描くと言うのは、ただ残酷に描くよりよっぽど残酷さが増しているように思うのです。

「風立ちぬ」は完全大人向けと割り切り、間口を狭めて描いている作品と思いますが、それなのにかえって、宮崎さんの本音が、描きたいテーマが、今まで以上にダイレクトに伝わってくる感じがありました。
友人の言葉を借りると「不純物が取り除かれた」状態のような。
一見自己満足のようにも見える「わかる人にだけわかればいい」という話なのに、描写は非常に細かく、伝えよう!という意気込みに関しては今までより冴え渡っているようにさえ感じます。それなのに嫌みな感じじゃない。
多くの人に当てようと思えばそれだけ表現の幅も狭まってくる…ということでしょうか。
対象を限定したことにより、大人向けの表現だけで勝負できたとか?
とにかく自分の中での映画に対する常識をひっくりかえされました~。

宮崎さんが飛行機大好きなのは知ってましたが、それも今まで以上に肌で感じることができました。
オレが世界一愛情を持って描けるんだ!って感じの。もうヒリヒリと痛いくらいに。
そして、自分とはこうなのだ、残酷な世界に矛盾を抱えて生きるしかないのだということが…。
もー感動するしかないって…。


純愛物語としてもすごく好きです。
恋物語には必ず障害が出てくるものですが、それでよく出てくるような格差や人間関係のドロドロ・もしくはすれ違い展開があまり好きではなく…。
二郎君と菜穂子さんもすれちがっていると言えばそうなのですが、わかりあえないままで、その上で自分にできる精一杯の愛情表現をもって寄り添おうとするのが個人的にツボすぎです。切なすぎ。
他人の気持ちを汲むことができない二郎君が、それでも不器用に彼女を愛そうとしているのがかえって健気に感じられます。人間味がないキャラと言っても、それでも負い目があり赦されたいと思ってるんだよなあ…。
そして菜穂子さんは理想の女性像のようでもありますが、彼女もまた自分のことしか考えてないという…。
二人ともエゴイストなんですよね。

宮崎さんは女性の生来持つ強さを信じている人なのかもしれません。
昔から宮崎作品に出てくる女性は、姉御肌タイプを除けば聖女のようなタイプばかりで、多少の違和感を覚えていたのですが、今回の作品でそれも腑に落ちた感じです。
男心を知りすぎている、とだけ言うと短絡的かもしれないですが。彼女らが聖女のように在れるのは、強さを持っているからこそ、なのでしょうね…。

ところで最後の菜穂子さんのセリフは、聞いた話によると元々「生きて」ではなく「来て」だったそうな。「生きて」に変更するかどうかかなり悩んだそうな。
元々のセリフの方がしっくり来るという意見もあるようですが、個人的には「生きて」で良かったと思います。
屍を重ね国を滅ぼしてなお生きなければならない、というのは罰でもあり救いでもあるような気がします。


気がつけばすごい長さになっていました。どうでもいいけど最後にひとつ。
主人公の声が庵野さんと聞いた時は「新手の変態プレイかよ」と思いましたが、彼の人柄を表現するのにはピッタリだったと思います。幼少期のハキハキ喋りとのギャップに驚いた以外はさほど違和感もなく聞けました。
でもやっぱり変態プレイだよ。

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